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2.塗装工程ごとのCO2排出量

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チェックリスト番号036~054は、塗装工程毎のCO排出量算定に関するチェックです。

CO排出に取り組む前に下表に示したように、それぞれの工程で使用されている電気、ガス、水などの量とそれに伴うCO排出量を把握して、排出量の多い工程についてCO排出削減対策を優先的、重点的に実施するのが効果的です。

上記表のエクセルファイルをダウンロードできます。

​ご利用ください

上記の表を1か月ごとに作成して、月間のCO排出量の変化に着目して、工程の改善検討に繋げ、月単位で改善効果を確認することができます。また、工程ごとのCO排出量は塗装するワークごとに塗装方法、塗料の種類、焼付温度などが異なりますので、主要なワークに関して上記の表を作成して、CO排出削減対策のワークに応じた優先課題を把握することができます。客先がサプライチェーンを含めたトータルでのCO排出量の把握と排出削減対策検討  を進める際に、客先から部品塗装のCO排出量の提示を求められるようになります。その場合でも上記の表ができていると対応が容易になります。上記の表を作成するには、工程ごとの燃料、電気等の使用量の把握が必要になります。

1)燃料ガス消費に伴う工程ごとのCO排出量の把握

燃料ガス消費に伴うCO排出量は、(燃料ガスの使用量)×(燃料ガスのCO排出係数)で算定します。

燃料ガスの消費量は、工程ごとに燃料ガスの流量計が設置されていれば流量計の積算値とし、流量計が取り付けられていない場合は、クランプ式非接触流量計で計量することができます。

燃料ガスの消費量は1年分ではなく、1か月ごと、あるいはワークの1ロットの作業時間における消費量を算出します。

燃料ガスのCO2排出係数は、燃料ガスの種類によって異なります。 

  ・LPG(プロパンガス、液化石油ガス)    3.00 kg-CO/kg-LPG 

  ・都市ガス(13A)              2.05 kg-CO/N㎥-13A

2)電気消費に伴う工程ごとのCO排出量の算定

電気消費に伴うCO排出量は、(電気の使用量)×(電気のCO排出係数)で算定します。工程ごとの電気使用量は、工程ごとに電力計が設置してあれば電力計の積算値とし、電力計がない場合は、クランプ式非接触電力計を用いて計測することができます。電気の消費量は1年分ではなく、1か月ごと、あるいはワークの1ロットの作業時間における電気消費量を算出します。

電気のCO排出係数は、火力発電、水力発電、風力発電、原子力発電などの発電方式の比率によって異なります。従って電力会社ごとにCO排出係数が異なります。

また毎年発電比率が変化しますのでCO排出係数も変化します。

電気のCO排出係数は、1-2 電気消費に伴うCO排出量の解説を参照してください。

3) 水の消費に伴う工程ごとのCO排出量の算定

水を大量に消費する場合は、水の消費に伴うCO排出量の算定が必要です。

水の消費に伴うCO排出量は、(水の使用量)×(水のCO排出係数)で算定します。

水を使用する工程ごとに流量計がある場合は、流量計の積算値を使い、流量計がない場合は、クランプ式流量計を用いて水量を計測することができます。

水のCO排出係数は、都道府県によって異なりますが、工場所在地の都道府県の上水のCO排出係数が不明の場合は、環境省の水道水の全国平均CO排出係数0.468kg- CO/㎥を使用するとよいでしょう。

4) 塗料の消費に伴う工程ごとのCO排出量の算定

塗料の消費に伴うCO排出量は、(塗装工程での塗料の使用量)×(塗料のCO排出係数)で算定します。

塗料の使用量は、1か月ごと、あるいはワークの1ロットの塗料の消費量を算出します。塗料のCO排出係数は、1-4塗料使用に伴うCO排出量の解説を参照してください。

 

5) 廃棄物処理に伴う工程ごとのCO排出量の算定

前処理工程から出る排水の処理、塗装工程や排ガス処理工程から出る排水の処理、塗料スラッジ、廃塗料、廃シンナーの処理に伴うCO排出量を算定します。

産廃のマニフェストを基に、1か月ごと、あるいは可能であれば塗装のロットごとに排出量を算定し、1-6廃棄物処理に伴うCO排出量の解説に示した産廃処理のCO排出原単位を掛けてCO排出量を算定します。

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